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3話 魔法への強い興味の正当化

Auteur: みみっく
last update Date de publication: 2025-10-21 12:43:02

 妹に案内をしてもらい、書庫へ辿り着いた。書庫の扉を開けると、そこは広く、街にある図書館と同じくらいの広さで、天井まで届くほどぎっしりと書籍が並べられていた。古紙とインクの匂いが混じり合い、知識の重みが空気中に漂っているようだ。

 それに文字が読めるか心配だったが、書架に並んだ本を一瞥しただけで、その内容がすんなりと頭に入ってくることに気づいた。これは……転生特典ってやつだな。レイニーは、確信を持ってそう思った。少し期待をしていた……可愛い妹に字を教えてもらえるかと思ったが……うん。残念だ。レイニーは、少しばかり肩を落とした。

 あ、下心とかないから。金髪の美少女を見慣れていなくて眺めていたいじゃん? だって可愛くて微笑んでくれるんだぞ? それに笑顔でお話できる機会なんてなかったからさっ。レイニーは、心の中で必死に言い訳をした。

「レイニーお兄様は、最近は何をお読みになられているのですか?」

 ルナが、キラキラとした瞳でレイニーを見上げて尋ねてきた。ちょ、ちょっと……その質問は早すぎだってばっ! ……ルナちゃん。レイニーは、内心でパニックになった。無難に図鑑とでも言っておくか? あ、でも……図鑑って読むものじゃなくて、調べるものってイメージだなぁ……?

 レイニーが困った表情をしていると、ルナがニコッと微笑んだ。その笑顔は、兄の困惑を解きほぐすかのように優しかった。

「あ……お兄様、わたしに気遣ってわかりやすい言葉を選んでくれているのですねっ♪ むずかしい魔法の本でしょうか?」

 ……ん!? 魔法の本!!? あぁ、物語のかな? レイニーは、ルナの言葉に、新たな可能性を見出した。

♢魔法への憧れ

 ルナが「魔法」という言葉を発したので、レイニーはその響きに強く惹かれた。書庫を見渡すと、魔法に関する本をすぐに発見した。手が届くほど近くにあったので、迷わず伸ばし、好奇心に任せて読み始めた。しかし、ふと顔を上げると、隣に座っていた妹のルナが、手持ち無沙汰に暇そうにしているのが目に入った。

 せっかく俺に会いに来てくれたのに、放ったらかしは良くないよな。レイニーの心に、わずかな罪悪感がよぎる。でも、魔法の書籍を見つけてしまったので仕方がないだろう……気になるでしょ、魔法だよ? レイニーは、自分に言い聞かせるように、魔法への強い興味を正当化した。

「ちょっと待っててくれるかな?」

 レイニーは、申し訳なさそうにルナに声をかけた。

「……はぁい」

 聞き分けの良い返事をしたルナだったが、頬を膨らませて、唇を尖らせていた。その表情には、はっきりと「つまらない」という感情が表れており、レイニーは思わず苦笑した。

 魔法の書籍を手に取り読んでみると……それは物語のようなファンタジーではなく、まるで実用書のように、具体的な呪文や詠唱、魔法の発動に必要な要素が詳細に書かれていた。これは、明らかに魔法のある世界に転生をしてきたらしい。わぁ〜すごい! 魔法かぁ〜♪ レイニーの瞳は、興奮と期待で輝いていた。

「なぁ〜ルナ。魔法を使えるの?」

 隣に座っていた妹に尋ねてみると、ルナは可愛く小首を傾げて、「なにを言ってるの?」とでも言いたげな顔をした。その純真な表情に、レイニーは言葉を詰まらせる。

 誤魔化すように、レイニーは言葉を修正し、ルナが使えるようになった魔法の種類を聞いてみた。

「……あ、じゃなくて……最近は、何を使えるようになったの?」

「あのね、うふふ……攻撃魔法のファイアショットを使えるようになったのっ♪ えへへっ」

 ルナは、嬉しそうに目を輝かせながら、自慢げに答えてくれた。その声には、達成感が滲み出ている。

 ルナが攻撃魔法を使えるようになったと自慢気に話してきた。という事は……攻撃が必要な状況になるということだろ? っていうことは、自然と答えが出てくる……魔物がいる世界なんだな? レイニーの頭の中で、パズルのピースがはまっていく。盗賊とか人間の敵って事も考えられるけど……魔物がいてくれた方が楽しそう。レイニーの顔に、悪戯っぽい笑みが浮かんだ。

 魔法あり、魔物ありの異世界ファンタジー世界じゃん。俺、魔法を使えるのかな……?? 妹が使えるなら俺も使えるはずだよな?? まさかの……適性がありませんとかじゃないよね。それだけは勘弁してよ……。レイニーの心には、期待と、わずかな不安が混じり合っていた。

 魔法があると知っては、ジッとしてられない! あるなら見てみたいよねっ!? レイニーの体は、もう好奇心に突き動かされていた。

「ルナ、本ばっかりじゃ勉強にならないからさぁ……魔法を見に行こうよ? ねっ?」

 レイニーは、ルナの手を取り、目を輝かせながら誘った。

「魔法をですか……? 講師の先生がいない時の使用は禁じられていますよぅ……ダメですっ」

 ルナは、困った表情をして、小さな体を縮こませるようにダメだと言ってきた。その声には、規則を破ることへの躊躇が滲んでいる。

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